【動画解説】インドTikTok含む59個の中国製アプリの使用禁止を発表!気になるインド人の反応は?

新型コロナウィルスの感染拡大が止まらないインド。
累計感染者数は56万人を超え、一向に右肩上がりの状況が続いています。

そんな中、6月29日(木)インド政府が中国製アプリ59個の使用禁止を発表しました。
対象のアプリには、人気ショート動画共有アプリ・TikTokやメッセンジャーアプリ・WeChatも含まれています。

なぜインド政府は中国アプリの使用禁止したのか?
気になる《インド人の本音》とは?

突然の禁止報道、そしてモディ首相の演説という事もあり、非常に驚きました。
インドと中国は2020年6月に国境付近の係争地で互いの軍が衝突、その紛争によりインド兵が20人死亡。
その後、インド国内では中国製品に対するボイコット等、対立の悪化そして緊張が高まっている状況です。コロナで深刻な中、今後どうなっていくのか…?




Youtube動画での解説


インドにおける中国アプリ禁止についてまとめました!
今回の経緯、そして今回の施策に対するインド人の本音についてまとめました!こちらのyoutube動画も合わせてご覧下さいね。

インド政府:中国アプリ59個の使用禁止を発表

6/29(月)午後22時頃:インド政府による使用禁止措置

6月29日(月)インド時間22時頃、インド政府はTikTokやWechat含む59個の中国アプリの使用禁止を発表しました。
禁止措置の主な理由としては、インド情報技術省より「インド国民のデータセキュリティそしてプライバシーの保全のため」と発表されています。(以下、原文)

The Ministry of Information Technology, invoking it’s power under section 69A of the Information Technology Act read with the relevant provisions of the Information Technology (Procedure and Safeguards for Blocking of Access of Information by Public) Rules 2009 and in view of the emergent nature of threats has decided to block 59 apps ( see Appendix) since in view of information available they are engaged in activities which is prejudicial to sovereignty and integrity of India, defence of India, security of state and public order.
(情報技術省は、情報技術法第69A条に基づく権限を発動し、2009年情報技術(公衆による情報へのアクセスをブロックするための手順と保護措置)規則の関連規定により、脅威を考慮し、59のアプリ(別紙参照)をブロックすることを決定)
Ministry of Electronice &IT Press Release参照

上記はリリースの一部となりますが、リリース内には「インド人がデータの安全性やプライバシー保護に関する懸念の高まり」や「インドという国の主権や安全保障の脅威になりえる」などが綴られていました。

対象のアプリはTikTok含む59個

インド情報技術省・Press Release参照

インド情報技術省がPress Release内にて発表した対象の中国アプリ一覧はこちら。
中国のByteDance社が開発・運営するモバイル向けショートビデオのプラットフォーム「1.TikTok」中国大手IT企業テンセントが開発したメッセンジャーアプリ「20.WeChat」をはじめ、59個のアプリが使用禁止に指定されています。

インドのTikTokアクティブユーザーは1億人以上
TikTokは世界中150以上、5億人のTikTokユーザー(月間アクティブユーザー)がいると言われています。
インドでのダウンロード数は6億1100万回で、全体の30.3%を占めます
アクティブユーザーは1億人を超えインドにおける2019年のTikTokダウンロード数は、3億2300万件を記録。インドはトップ市場(中国のAndroidダウンロードを除外した場合)とされています。
また、インドのユーザーの平均TikTok使用時間は1日約38分(TikTok全体の平均時間は45分と推定)とのこと。

Tiktokはかなり人気で、インド人の友人もほぼ毎日使っていました。
TikTokは昨年も使用禁止にはなったものの、その後ダウンロード再開。ただし、今回は国境をめぐる問題もあり、なかなか禁止解除は厳しいのでは…?Wechatは日本でいうLINEのようなもの。その他のアプリはあまり馴染みがないかな(笑)



TikTokは2019年にもダウンロード禁止に

TikTokに関しては、2019年4月にも一度インド国内ではTikTokのダウンロードが禁止となりました。
その時も同様に、インド政府はGoogleとAppleに対し、TikTokをストアから削除するように指示しています。
禁止理由としては「TikTokはインドの文化を劣化させて、ポルノや子供に有害な不適切コンテンツが含まれている」という事から禁止措置が適応されました。

2019年のTikTokの禁止措置の時も、現地ではかなり話題となりました。この時は、新規ダウンロードのみが禁止(つまり、既にダウンロード済みのアプリには、禁止措置は適用されず)という措置で、その後ダウンロードは再開となりました。




アップデート:アプリ禁止後の動き

インド政府が59の中国製アプリの禁止を発表した翌日、Google Playストア・App StoreからTikTokアプリが削除されています。
アプリをすでにダウンロードしているユーザーは、アプリの使用・動画投稿が可能
ただし、インド政府より正式発表されている事もあり、国として使用は禁止されています。

また、現在TikTokアプリではアプリを起動すると以下のアラートが表示されます。

User Notice
“Dear users, we are in the process of complying with the Government of India’s directive to block 59 apps.
Ensuring this privacy and security of all our users in India remains our utmost priority.”
“親愛なるユーザーの皆様 我々は59の中国アプリをブロックするためインド政府の指令に従う過程にあります。
全インドユーザーにおけるプライバシーとセキュリティの保護が最優先事項である”

また、The Indian Expressによると、一部のユーザーにおいてはTikTokアプリ内でタイムラインをスクロールしたり、動画のアップロードが出来なくなっているとのこと。アプリ内には「ネットワーク問題」と示されており、通信事業者による通信遮断が行われている可能性があります。

発表の翌日にこの対応、まさにインドを感じるスピーディさに驚き…!インドでは政府方針に沿った通信事業者によるネットワーク遮断というのは過去にも度々行われています。今後しばらくは中国アプリの再リリースは厳しい見込みですね。

現地・インドの反応は?


いったい現地のインド人は今回の施策をどのように感じているのか?
実際にインド人にインタビュー!動画内の後半でまとめているので、こちらも合わせてご覧下さいね。

TikTok Indiaの責任者であるNikhil Gandhiによるアナウンスも


こちらはTwitterでの投稿。この投稿へのコメントには「I’m very happy」など今回の対応について賞賛する声や「Any thing Chinese can’t be believerd」など中国に対する批判的なコメントが目立ちました。凄まじい数のコメントやライクにただただ驚きです…。



中国側の反応は?


こちらは中国の外務省報道官・Zhao Lijian氏によるスピーチ。今回のインド政府による中国アプリの禁止に関し「中国側は強く懸念。状況を検証」と述べられています。

最後に

新型コロナ感染の拡大が続く中、今回の中国アプリに関する禁止措置。
中国製品への依存、そして中国から投資を受けているスタートアップ企業も多くあるのも事実

今回は「インド国民のデータセキュリティ及びプライバシー保全のため」という理由から、中国アプリ59個を禁止としたものの、今回のっ措置により今後他業界においてどのような影響がもたらされるのか。

今や日本もインドも中国とは切り離せない関係性であることも事実。個人的には、今回のインド政府による対応が今後のインド経済へのネガティブな要素とならないことを願いつつ、引き続き印中間の関係・問題について引き続きウォッチしていきます!




関連動画(インド・中国)

Follow me!