【インド・新型コロナ】遂に大規模な経済対策が始動!総額28兆円にも及ぶ《特別財源》そして注目の企業救済案とは?

昨今、世界を震撼させている新型コロナウィルス
インドでも日々感染者が拡大しており、現在は感染者 74,281名(内2,415名が死亡)まで上っています(※5/13(水)朝9:30時点)

新型コロナウィルス抑制のため
インドでは2020年3月25日~5月17日まで54日間のロックダウンを実施中
2度のロックダウン延長を行っているものの、感染者数は増加の一途をたどっています。

この状況下で、ロックダウン第3弾の終了5日前である5月12日(火)モディ首相による緊急演説が実施
そして翌日、インド財務大臣による総額28兆円にもおよぶSpecial economic package(特別財源)の詳細が発表されました。
今後のインド経済を左右する特別財源、その主な使い道そして具体的な内容とは?

コロナ関連では5度目となる5月12日(火)モディ首相の演説。
その演説内でも財務大臣より詳細の発表があると述べられていましたが、まさか翌日13日(水)に実施というスピード感…!
今回は財務大臣が語った発表についてご説明します。

新政策が発表!5度目のモディ首相による演説

ロックダウン第3弾の9日目(最終日より5日前)の5月12日(火)午後20時より、モディ首相よりTwitter及び公式ページにて、リアルタイムでの演説が実施
約35分間の演説では、新型コロナウィルスに対する今後の新たな方針について語られました。

モディ首相の演説で語られたのは主に3点。
①自立(自給自足)するための5つの柱 ②The economic package (特別財源)③Lockdown 4(ロックダウン第四弾)について。
詳細は下記youtube動画記事にてまとめているので、合わせてご覧下さいね!

 

インド・財務大臣による《総額28兆円》特別財源の使い道が発表

モディ首相の演説(第5回目)実施の翌日・5月13日(水)インド時間午後16時。
インド財務大臣・Nirmala Sitharaman(ニルマラー・スィータラマーン)氏による発表が行われました。

現地メディア・TIMES OF INDIAの最新記事によると、ニムマラー財務大臣の発表における要点を下記のように伝えています。
(以下、一部抜粋及び翻訳)

ーTIMES OF INDIAより参照ー

KEY Announcements made by Nirmala Sitharaman(Nirmala大臣による発表の要点)
1.Rs 3 lakh crore collateral free automatic loans for MSMEs*
(3兆ルピーの中小零細企業向け無担保自動ローン)

2.Rs 20,000cr subordinate debt for MSMEs
(中小零細企業向けの2万クロールルピーの劣後債務)

3.Rs 50,000cr equity infusion through MSME Fund of Funds**
(中小零細企業向けファンド・オブ・ファンズ(投資信託に投資する投資信託)を介した5万クロールの出資

4.New definition of MSMEs
(中小企業に関する新たな定義)

5.Global tender to be disallowed upto Rs 200cr
(グローバル入札は200クロールまでは禁止とする)

6.Other interventions for MSMEs
(中小企業に対するその他の介入・仲裁)

7.Rs 2500cr EPF support for businesses and workers for 3 more months
(更に3か月間、Rs 2500cr規模のEPF***による企業及び労働者へのサポート)

8.EPF contribution reduced for business & workers for 3 months,amount to support of Rs 6750cr
(3か月間、企業及び労働者へのEPF拠出が削減、6750クロールルピーの補助金)

9.Rs 30.000cr liquidity facility for NBFC****/HCs/MFs
(NBFCや / HCs / MFsに対して、3万クロールまで流動性を持たせる)

10.Rs 45,000cr partial credit guarantee scheme 2.0 for NBFC****

11.Rs 90,000cr liquidity injection for DISCOMs*****
(配送電会社へ9万クロールまで流動性を持たせる

12.Relief to contractors
(請負業者への救済)

13.Extention of registration and completion date of real estate projects under RERA******
(不動産規制法に基づく不動産プロジェクト登録および完了日の延長)

14.Rs 50,000cr liquidity through TDS/TCS reductions
(TDS(所得税)やTCS削減を目的とし、5万クロールの流動性を持たせる)

15.Extention of due date for income tax returns for 2019-2020 to Nov 30.2020
(2019-2020年から2020年11月30日までの所得税申告期限の延長)

16.Extention of date of assessment getting barred as on Sep 30.,2020 to Dec 31,2020

12日に発表されたのは主に上記16点でした。ロックダウン開始から45日が経過した今、やっと具体的な企業救済策の発表!
主にMSME(中小零細企業)を対象とした政策がメインとなります。現地の中小企業及びインド進出企業にとって、これはかなりの朗報です!!

*MSME:Micro, Small & Medium Enterprisesの略。中小零細企業を指す
**Fund of Funds:ファンド・オブ・ファンズ(Fund of funds)投資信託に投資する投資信託を指す。
***EPF:Employees’ Provident Fund Organisationの略。従業員に対する積み立て基金・年金組合を指す。
****NBFC:Non-Banking Financial Companyの略。銀行以外の金融機関を指す。
*****Discoms:配送電会社を指す
******RERA:Real Estate Regulations Actの略:不動産規制法を指す

財務大臣による演説は各SNSよりリアルタイム配信

モディ首相の演説はこれまでと同様、各SNS(Twitter,Youtube,Facebookなど)よりリアルタイムで配信されました。
13日(水)インド時間午後3時に、ニムマラー財務大臣による発表がスタート。
ニムマラー財務大臣は英語にてゆっくりと力強く語られていました。

ニムマラー財務大臣はゆっくりそしてはっきりと英語にて発表を行っていました。非常にクリアな英語で分かりやすかった!
(ちなみに、今回の発表前までインドの財務大臣が女性だという事を知らず…。こういった面からも、インドの女性の活躍推進について感じた瞬間でもありました。

インド財務大臣による全スピーチ(動画)


こちらが実際の財務大臣による発表動画です。
大臣の話し方や身振り手振りから、演説の雰囲気など感じて頂けると思います。
ぜひ一度ご覧下さい!

インドにおける新型コロナウィルスの影響は?

インドにおける新型コロナウィルスの影響日本人のビザに関する情報は随時下記ページでアップデートしています。
ぜひこちらも合わせてご覧下さい!

【随時更新】日本人のインドビザ無効化?遂に21日間のロックダウン…《新型コロナウィルス》インドでの影響~現地及びVISA状況~



最後に

インドを始め、全世界で日に日に深刻化している新型コロナウィルス。
3度に及ぶ厳格なロックダウンが実施されている中で、やっと具体的な企業救済案が発表!
感染者数の伸びから、引き続きロックダウン第4弾の実施は確定なものの、今後インド経済が徐々に動き出す兆し。

やはりロックダウン延長となったインド。
今後も更なるロックダウン期間で、様々な動きがあるかと思います。随時現地よりアップデート行います!

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